A なぜ人物研究をするか? 「温故知新」
     =歴史は確定されたものではない=

 「温故知新」=古きをたずねて新しきを知る 歴史を勉強することによ
って未来の道標とする、という意味です。私達は「昔」というと、古いと
軽蔑しがちです。ひとが経験したことを学ぶことは、人間が間違いを起こ
しやすい欠点、素晴らしい能力を知る手がかりとなります。


  
A. 伊豆人気質

 次に書かれたものは500年ほど前のものですが、現在の自分たちの性
質と変わっていないように思うのですが、皆様はどう考えますか?

 沼津にいた時、友人が私に「あなたは味方になっているときは頼もしい
が、敵になったら手強いだろう」と言ったことがありました。その時はな
んでそんなことを言うのだろう、と聞き流していましたが、次の文章を読
んで最近その意味が解りました。

 伊豆のひとは「一本気」だということなんです。これは清らかな環境に
生き、それを引き継いでいることからである。しかし、一時の功績を気に
して、今日は命がけの約束をしても、数日経つと気が変わって大敵になる
ことさえある。だから同士は気持ちを同一にして仲が良い。


  
       伊豆人気質「強中の強」
                                  
 「『人国記』室町末期(原秀三郎静大名誉教授の推定では天文年間1532
-55)に編纂されたもの。
 「伊豆の国の風俗、強中(きょうちゅう)の強にして、その気の乗る時
は強し。その気の乗らざる時も強し。これは国風の稟く(う=受ける)と
ころ、都(すべ)て清(きよ)らなるところを自然と得たるものなり。
 然(しか)りといえども一花の気にして、今日は互いの命を投げうたん
と約する所の人にても、少しも違いあるときんば、数日の約を一時に忘れ
て、俄(にわ)にまた遺恨甚だ強くして、大敵となって仇を施さん事を常
に巧みにする風俗なり。然るが故に人みな一統にして、また格別なり。
 この国を率いるには、耳目よりしてこれを伏せしむべし。気は天気にし
て陽なり。陽は昇るなり。されば忿(いか)る気強き故に、忿り強き者は
名利を好むなり。いかにも随いてこれを服すべきなり」


注=その気(好調) 一花(ほんの一時的気分)耳目より…(主君を補佐する家来から屈服させるがよ
い) いかにも随い…(随う風をして説得することを念頭に) 
気一統(気持ちがひとつに統合される)

 また『新人国記』には、
 「当国の風俗は、強中の強にして、気を稟くるところ都て清きなり。然
れども一花の気にて、少しの違いめにても、また親怨を変ずるなりとぞ。
 按(あん)ずるに当国は、駿河と相模との海中、南へ指し出でたる国な
り。三方みな海岸にて、中は山谷なり。寒暑も暖かな所なり。民俗偏(辺)
境なる故に、よろず一筋なり。大島、三宅島、その外島々多し。並びに八
丈島の如き皆この国に属するといえども、風俗各々異なり」
とあるという。

 伊豆の地政学的位置は
「東西海上交通の基地であり、また列島南北交通
の起点である」
と、静岡大学名誉教授原秀三郎先生は述べられています。
 
@自己紹介にかえて AーA.伊豆人の性質 AーB.松崎町が多くの偉人を出すのは?
B勉三って、どんなひと
  Bー私と翁との出会い
  Bー
A.略歴年表  

 BーB.生い立ち
 BーC.十勝開拓への使命感 
 
BーD.苦難の道
BーE.水田所の宴
C 結論として
    皆さんへのメッセージ
D付録、松崎町・下田北高にある関係写真 渡辺勝日記 BーF.こぼれ話序文   こぼれ話6話 FG
   表紙に戻る  勉三一代記「風吹け、波たて」
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