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「国民文化祭との関連」
松崎蔵つくり隊事務局 細 田 栄 作
これぞ具体的協働作業(職人共和国)
松崎町の人口は約8,000人。4,500軒の住宅があります。その中にナマコ壁の蔵
や住宅が200軒余。30年以上前から町の佇まいを観光戦力と位置づけ町並み、漆喰壁
の伝統にこだわった町づくりをコンセプトにしてきました。しかも近年は、農業、林業、
漁業商業に生きる糧を失い、外貨獲得はサービス産業に頼らざるを得ない状況となりました。
松崎町が誇る個性ある佇まいは、なまこ壁の土蔵です。その土蔵が壊れても修復できず、
毎年多くが壊されていきます。景観条例のないこの町で、藁をもつかむ思いから立ち上げ
たのが「蔵つくり隊」です。当初、蔵の修復の補助役が最大の目的でした。そして、子ど
もたちに「漆喰壁の原理」に興味をもたせようと『光る泥団子』をPR。
「いつかは小さな蔵でもつくりたいね」。その夢をそのまま命名したのが「蔵つくり隊」
です。そんな状況下に舞い込んだのが国民文化祭参加です。私たちは、70年以前より造
られたことのない「土蔵造り」=「松崎夢の蔵」に挑戦します。
「第24回国民文化祭しずおか2009」の「基本方針」を読むと、次のように書かれ
ています。
「懐かしい文化、情緒あふれる文化を再発見し、暮らしに潤いと憩いのある文化を静岡
県から提案します」と。
次に・気候風土が育てた四季の移ろいを愛でる「情と知恵の文化」を探ります。
・静岡県の豊潤な水と恵みを生かした「もてなしの文化」を提案します。
@ 歴史を未来をにつなぎ、人と人をつなぐ文化をつくります。
・歴史文化のもつ豊かさに気づき、未来につながる新しい価値を見出します。
・地域の文化をより広い目線から見直し、他の地域とのつながりや交流を実感します。
A みんなが共に楽しく遊びながら参加できる工夫をします。
・より多くの人が参加したいと思えるような、魅力ある工夫をします。
・新しい発想や感性が生かされた、驚きのある文化を体感できるものにします。
B これまでの文化活動の蓄積を生かし、より質の高い表現を求めます。
・さまざまな文化活動を広く紹介し、次のステップにつなげます。
・国際交流やプロとの交流などを通して、表現のすばらしさを体験します。
「あわせて」
C 文化を担い支える人を養い育て、地域に根づいた文化のつくり方を考えます。
・文化を担う新しい世代を育て、文化を支える人たちの連携を強めます。
・地域文化創造についての経験や知恵を共有し、共に考える機会をつくります。
「開催を契機として」の前文、@、Cは、紙面の都合で割愛します。
A
開催準備の過程も広い意味での「文化づくりと」ととらえ、文化の関係のある様々な
分野の団体や企業、企業との連携を大切にし、文化を創造し、享受することを支え、つ
ないでいく仕組みづくりを進め、担い手協働の基盤をつくります。
B
観光をはじめとする産業、教育などの連携により、本県の魅力づくりとその発信に努
めるとともに、次代を担う人材の育成や創造的環境の整備を図ります。
と、書かれています。
まさにこの国民文化祭の基本方針は、「蔵つくり隊」の活動・目的そのもので、深く共
鳴した次第です。従ってそのまま「渡りに船」の形での参加となりました。
幸い、造園業者・資材屋・建材屋・生コン屋をはじめ、建具屋・鍛冶屋、現役・OBの
左官・大工、教師・学生、ボランティア集団、役所が「松崎夢の蔵」の建設に協力的です。
それに町にお住まいの一級建築士が設計、グラフィックデザイナーがHP表紙画を作って
くださいました。「職人共和国」の幕開けです。
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