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   高校生の参加

                        松崎蔵つくり隊広報部 松 本 晴 雄

 この時期の私は忙しい。洗濯物を干し終えると、寺掃除の当番で出る。住職のいない寺
なので境内の草取りは大変である。ついで我が家の墓掃除をする。それが終わってから「夢
蔵」の取材に出掛けるという具合で、それもガイドをかねてのことである。余談だが、午
後は山畑の甘夏へ配合肥料20sを背負って登り、帰りは彼岸の華「しきみ」を採って帰
って墓地に供える。それが終わると田んぼ道の草刈りを夕刻までする。

 私が、伊豆の長八美術館前の現場に着いたのは午前10時半を回っていた。十数人が先
週覚えた作業なので、手慣れた手つきで作業をしている。やはり一度の体験でかなり上達
できるものだと感心しながら眺める。

 特に女高生Tさんは毎回参加していることもあって驚くほど上手である。彼女の父親が
職人をしているDNAだろう、大人達と対等な作業に挑戦している。それも嬉々と躍動的
なのが素晴らしい。

 私は彼女に「夢蔵HP」の目玉として、作文をお願いするつもりでいた。職人の世界を
若者がどう感じているか、町の未来についてどう思い描いているのか書いてもらいたいと
思う。なお既に高校生による「絵本作成」は進行中である。若者達に「なまこ壁」の作業
を通じて、町の文化・景観、人間のあり方など学んでもらいたいことも、蔵づくり隊の隠
れた本音でもある。

 大人も子供も、この町には職場がないと諦めきっている。そう遠くない未来に無人化の
危惧さえ感じるまでになっている。私の新たなライフワーク「高橋亘翁」は、「農村精神
さえ存続すれば心的、物的にもっと国は栄える。……少なくとも農村は都会化することで
衰退する。……生産文化の栄えは農村にこそ求めるべきだ」と。
                                        

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