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「棟上げ式」
松崎蔵つくり隊広報部 松 本 晴 雄
70年間「なまこ壁の土蔵」は、左官のメッカ・松崎町といえども建築されていないと いう。ということは、誰もが造った体験がないということである。古い壊れた土蔵を解体 するとき観察する。古文書をひもとき一字一文字を解読しながら研究する。
さすがは大工職人である。まさに「暗黙知」の世界なのである。あれほど入り組んだ木 組みを短時間で鋸と鑿、鉋を使って刻む。小舞竹受けの棚など、いままで見たことのない 細工である。
9月23日、予定通り木組みを無事終了。棟上げ式にうつる。大工棟梁が祭文を読み上 げる。参加者一同が献杯し、今後の工事の無事を祈る。本当は21日を棟上げ式として予 定されたのだが、台風の余波も影響してこの日となったのである。
母体となる「蔵造り隊」は、専門家を頂点に仰ぐが素人集団である。だからかえってノ ウハウの記録には適しているのかもしれない。間もなく、正式HPが出来上がろう。
ほとんどのひとが知らない「なまこ壁工法」。それを後世に残すという大事業。いま、 着手されたのである。
伊豆・松崎町の精神が赤く燃えて、全国発信する機会に巡り会った、千載一遇のチャン ス到来である。
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