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  「地鎮祭の祝詞・式次第」

                                 松崎蔵つくり隊広報部 松 本 晴 雄

 9月6日に行われた地鎮祭の祝詞、式次第を参考のために載せたいと思う。神職は「伊
那下神社」の森宮司である。達筆と万葉仮名、また、独特の神道用語のため何回か宮司に
見ていただいたのだが、まだ完全とは言えないものである。読み返してみて、日本人が古
代より抱き続けてきた神への畏敬の念が感じられ、心の持ちようを学ぶことが出来た。

 だが今、神社は非常な危機時代を迎えている。わが松崎町に45社を数えるが、神職は
たった1人となっている。社の建物を修繕しようにもどこがお金を出すか議論百出、うや
むやとなる。信仰心のうすれ、過疎化に拍車がかかり、神職さえ食べることが覚束なくな
ったからである。

 古来より親の結婚・母の胎児となった時から死ぬまで、健康・家の繁栄、商売繁盛、村
祭り、社会の安全をお祈りした心の拠り所。その神社が失われることは、日本文化の否定
につながる大問題だと思う。宗教の自由、政経分離とか言われ、挙げ句のはては「憲法違
反」となる。だから誰もこの問題には触れようとしない。いわば「触らぬ神に祟りなし」
をきめこむ。この辺で宗教を抜きにした文化、神職・神社の存続方法も考えるべきではな
いだろうか。


 神なびの牛原山の麓・伊豆長八美術館の甘(ウマ)し処に、忌竹(イミタケ)刺し立て、
七五三縄(シメナワ)引き回(モト)ほし、神籬(ヒモロギ)に招(オ)ぎ奉(たてまつ)
る。掛けかくまくも畏(かし)き大地主(オオトコヌシノ)大神(オオカミ)、埴山(ハ
ニヤマノ)姫神、産土(ウブスナノ)大神等の大前(オオマエ)に恐(カシコミ)みかし
こみもうさく。
 八十日(ヤソカイ)、日はあれども、今日を生日(イクヒ)の足る日の佳日(ヨキヒ)
と選び定めて御祭(ミマツリ)仕奉(ツカエマツ)ることの由は、わが松崎町は松風澄み
る、なまこ壁の蔵最も美しく、街並みに相応(フサ)しき土の蔵数多(アマタ)有りしが、
時の進み行くに随(マニマニ)、損(ソコナ)われたるは恐れ多きことにこそあれ故、委
(ユダネ)たるの松崎蔵つくり隊代表・関賢助、斯(シ)が保存修復に心を砕き、隊員等
も入紐(イリヒモ)の同じ心に労(イタズキ)き励みつつ、町の援(タス)けを得て、思
い叶(カナ)い、この度、松崎町の新たななまこ壁の蔵、建設(タテマケ)、巧みなる左
官の町風(マチブリ)、更に世に開かむとするによりて、隊員等山に入り間伐材を本(モ
ト)打ち切り、或(アル)は古き家の瓦を用い、あるは黒鉄(クロガネ)の釘を打ち、あ
るは受け継ぎ伝わりし匠の技の魂こめし奉仕(ツカエマツ)らむと、町長始め事に関わる
諸々(モロモロ)参列(マイツラ)並(ナ)み、忌鎌、忌鍬取り持ちて地鎮(トコシズメ
ノ)御祭(ミマツリ)仕奉(ツカエマツ)る状(サマ)を、平けく安けく聞食(キコメシ)
して、底津磐根(ソコツイワネ)の極み、揺り来る地震(ナイ)の災いなく、築き立てつ
る柱緩むことなく、傾くことなく、各(オノ)もおのも、負持(オイモツ)つ業(ワザ)
に勤(イソ)み励みて、思慮(オモハカリ)の過(アヤマ)つことなく、悟り深く打ち墨
縄の直ぐ正しく、法(ノリ)の随々(マニマニ)種々の技術(ワザ)違うことあらしめず、
速やかに成(ナ)しおえしめ給(タマ)えと、種々(クサグザ)の味物(タメツモノ)献
奉(タテマツ)り、言寿(コトホギ)鎭め奉(タテマツ)らくを、穏(オダ)ひに静けく、
聞食(キコメ)せと、恐(カシコ)み、かしこみも白(モウ)す。


        
地鎮祭次第  9月6日

 皆様、お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。
ただ今より「松崎夢の蔵」建設にあたり、地鎮祭を執り行います。
@ 修祓(シュウバツ)=参列者、お供え物をお祓い清める祭儀。お祓いのお言葉を奏上
  する間は深く頭を下げ、お祓いを受ける時は軽く頭を下げましょう。
A 降神(コウシン)=この土地に鎮まる神様と、地域の神様をお迎えする厳粛な祭儀。
  神職(グウジ)が「おおー」と警告しますので、頭を深く下げましょう。
B 献饌(ケンセン)=神職が神前のお供えを神様にお召し上がりいただくために、御神
  酒と水の蓋を取ります。
C 祝詞奏上(ノリトソウジョウ)=これから先、この土地をお借りして家を建てること
  を神様に奉告し、工事の安全を祈る言葉を申し上げます。
D 清祓(キヨハライ)=神職が敷地にお祓いをする。
E 地鎮の儀(ジチンノギ)=鎌で草をかる刈初め(カリソメ)町長=建て主が鍬で3回
  起こす。穿ち初め(ウガチゾメ)=設計者・工藤氏。土均し(ツチナラシ)=蔵つく
  り隊長・関氏、大工棟梁・後藤氏。
F 玉串礼拝(タマグシレイハイ)=神前に玉串を捧げ、工事の安全を祈ります。
  受け取った玉串は時計回りにし、根本を神様に向けて祭壇にお供えします。
G 撤饌(テッセン)=神職が御神酒と水の蓋を閉じ、お供え物をお下げします。
H 昇神(ショウシン)=神様に元の座にお戻りいただく祭儀。
  神職が「おおー」と警告しますので頭を下げましょう。

乾 杯=続きまして乾杯を行います。
 皆様、盃をおとりください。御神酒をお注ぎしますので、準備をお願いいたします。
ここで乾杯を行います。御発声を教育長にお願いいたします。

 以上をもちまして地鎮祭を終了いたします。

招待者=町長、議長、観光協会長、南区長、設計者、大工棟梁、蔵つくり隊長、蔵つくり
プロジェクトチーム、松崎高校生。

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